不思議話16:電柱女

久我

2010年02月19日 08:03

実家(大阪)に居た頃の話。


愛犬の散歩コースに心霊スポットがあった。
実はそれを知ったのは高2くらいになってからだが…。
ある日おかんが愛犬の散歩帰りに噂を聞いて[何処だろう?]と気になったそうな。


…確か自転車か原付きで登校中の女の子がトラックに轢かれ、数10m引摺られて停まった付近にあった電柱に女の子の顔が浮き出ているという話だったかな。

夏になると馬鹿騒ぎする輩が一種風物詩のようになっていたが、これには納得した。



実家(団地)のベランダを出て正面にある団地は不思議話にも書いた[首吊り男]が出た曰く有りの一室が見える。
近くには異様な交通事故が多かった十字路。
玄関出て右側の一方通行の細い道路を挟んで広い墓地。
正面にはこれまた曰く有りの団地ときたもんだ。

何が出たっておかしくはない。

しかし噂の電柱はみた事が無い。
深夜の愛犬の散歩がてらに探してみたら案外アッサリ見付かった。



長髪で少し面長な顔がハッキリと浮かび出ている。美人って噂もあったが、確かに染み出し系にしては割と可愛いかも知れない。
思っていたより割と高い位置だったから気付かなかったけど見ただけで騒げる奴等の気が知れん(-"-;)


そんな独り言を言いつつおかんにも教えたけど。「あ~、そうなんか。ホンマにそう見えるな~。」程度だった。
それを知ったからとて特に気にする事も無く過ごしていたのだが、いつだったか普段通り通り掛かるとその女の子が[自転車じゃなく原付き]で事故った時の記憶を見せてくれた。

蛇行してトラックがぶつかって来て引摺られた瞬間の情景とか。
お陰で事故の詳細も語れる程だが多分自分の身に起きた内容を知って欲しかったんだなと勝手に解釈する事した。

…それから何年かして、久々に電柱を見上げてみると目が吊上がって明らかに怒った表情になっている。
よく見ると顔の位置に悪戯らしき色染みが…。

『いつまでもそんな所に居るからだよ』と言うと少しベソかいた様に見えた。
彼女は電柱付近で事故らない様に気配りしてくれてたりして俺の愛犬にも好感持ってくれてたみたいだから[戒め]として染み姿は残しておいて彼女自身は開放してあげる事にした。

その周辺で同じような事故が起きない様に見守ってくれてるのに、この扱いは無いものな…。

彼女も開放されたがってたみたいだし、推測するに[守ってる内に人柱(自縛神)に変異してしまった]んだろう。
電柱からの開放後もたまに周囲の様子を見に来るみたいだったが…。
彼女はもうその電柱には居ないが抜け殻の名残は今も残っている。




web拍手

▼結局、バタバタしてたら大概な時間になってたorz
悔しいからまた後で不思議話17(最近話)をupしますわ(-"-;)


関連記事