不思議話:19 主張音

久我

2010年09月05日 16:29

昨日は職場の子達と飲んでから帰宅。
青葉嬢を構ったり、友人と電話で話したりして深夜を過ごしていた。

職場の子とマイミクになってから、日記を適当に遡って読んでいたら、ある東北限定で出没するオカルトな話を見付けた。ググる(Google検索)すると…出てくる出てくる。

概要は[やたらデカくて不気味な赤い女がついてくる]・[階数問わず窓を叩きにくる]・[下手すると殺される]だったかな…。
どんなもんかと横になりながら調べていたら、ふと気が付いた。



現在上も隣も留守中で誰も居ない。
下はガレージで使っていない。
時間は深夜3時を過ぎている。
青葉嬢は起きていたが妙に大人しく、何かに警戒するかのように動こうとしない。


俺も酒が少々まわってたので眠くはなって来てたのだが、誰も居ない筈の階下から音がする。


『コツコツ…
…コツコツコツ……』

ヒールで歩き回っているような…、何かがおかしな音。
携帯を弄る手を止め、暫し音に集中してみる。


『とた…とたとたとた…』

今度は上の部屋から歩き回る音。
因みに上の部屋からそんな足音が聞こえてきた事は今までに無い。しかも今は留守中で誰も居ない。


思考を巡らせている内に、裸足で隣からも歩き回るような足音が…。


あー、来ちゃった(呼んじゃった)のかな?
そう思い始めた頃に階下の音の[奇妙さ]に気付いてしまった。


下のガレージからすれば天井、うちからすれば…床下(?)からコツコツ音がしている。
軽い振動のような錯覚すら受けるのは酔っている所為か…?

割と現実主義なので気の所為と片付けて、面倒臭いから寝ようとしたらコツコツ音がテンポアップした。


ちょうど布団をひいてる周辺を回るかのように音はくるくると移動を続ける。
大した音じゃないのにヤケに耳につく。


イラッときて全部確かめに行こうか、泥棒ならボコってやろうかとも思って寝床から半身を起こしたら、青葉がガタッと音を立てて反応した。
無いとは思うが万一俺に何かあったら青葉嬢の世話を出来る人が居なくなってしまう。
それに『早く来い』と言わんばかりに急かされてるのは癪(しゃく)に障る…。


結論として[面倒臭い事に首突っ込むよりも寝てしまえ]に行き着いた。

…もう明け方だ。
隣や上からの音は、不自然さを感じた時点で同時に消えていた。
相変わらず階下からのやや必死な音が五月蝿いだけ…。


ピローミストのラベンダーの香りで眠る事にして噴霧する。
無駄に緊張している青葉嬢に声掛けして撫で、落ち着かせてから意地でも寝てやろうとした。


やがて眠気が静かに降りてきて、落ちる瞬間に…明らかに耳元で『コツ…』という音がした。

やっぱり人間じゃないなと確信を得たが、面倒なので無視して寝たら起床時間が昼近くになってしまった…orz


今思えばネットで噂になっていた怪異の女ではなく、帰宅後に話していた友人周辺をウロついてる[男の変異霊]な気もする。

一般的に表札がある家や個人の部屋は弱いながらも血族結界が発生する。
結界内に招かれざる者は主張音を立てて扉を中から開けさせようとする。そうしないと入れないor力を使って無理矢理じゃないと入れないからね。


何にせよ、そこまでして人様に迷惑掛ける霊とかは虫の居所次第によっては本気で小一時間説教したくなる程ムカつきますな。


友人へ。アイツだったなら〆とくわ。



[鮮度だけ]ばかりであまり不思議っぽくない話でした。サーセンw
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